このレビューはネタバレを含みます
いろんな意味で話題になっていた映画ですが、ようやく観賞。
マルグリットの描写が最初の1章のジャンの視点ではあえて悪女にも聖女にも見えないフラットな描かれ方をしていて、2章ではジャックの視点なので誘ってる風にも見え、3章は本人視点なので言わずもがな。
最後までみて、ジャンからみたマルグリットは一人の人間じゃなくて、感情のない人形(跡継ぎ生むたための道具)としか見えてなかったからああだったのか!とわかり、その演技と演出プランにうならされた。
クライマックスの決闘はハラハラというよりは何やってんのこの男どもは、と思ってしまった…。
ラストは、決闘後のマルグリットの諦観のような表情と吐息が印象的だったので、息子とのシーンは蛇足かな。
どこまでが史実かわからないけど、女性の勇気ある訴えが勝利を導いたとか、夫婦の愛が…とかやろうと思えばドラマチックにできたところをそうはせず、視点を変え、描写を重ね、ただひたすらにいまも多数いる愚かな男たちに「どう?こういうことよ、気づきましょうね」と懇切丁寧に諭す映画でした。傑作!