ぴろぴろ

最後の決闘裁判のぴろぴろのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0

真実は一つ、でも捉え方は三者三様、人それぞれ。
真実かどうかを殺し合いで決着をつけるというやり方、こんなめちゃくちゃな制度が史実だというから恐ろしい。
これではヒョロッとしたのび太みたいな者は、どんなに真実を語ってもジャイアンが正義になってしまうじゃん😱なんて心配してハラハラしながら決闘を見守った。
妻の悲しみや名誉、尊厳、真実かどうかを明らかにするというのはオマケに過ぎず、結局のところ男のメンツを掛けた意地の張り合い。
もし決闘に勝っても、マルグリットは晴れやかだろうか。 命をかけて闘った夫を愛せたのだろうか。  負けたら自分は裸にされて殺されるし。
どっちに転んでも、良いことなんてないんじゃないかなぁ。
後味の悪さは現代も変わらないのかもしれない。

決闘は迫力満点な重厚感と生々しさ。  衣装も素晴らしかった。
そして三者三様の捉え方を見せる為に、第1章から3章として3回同じ事を見せるのだけど、役者の表情、演技が違う事で視点、思いや考えの違いを見せる演出が秀逸。
「神は正しいほうに味方する」は中世だからまだ許すとして
「快感を得ないと妊娠しない」
?  は?  謎
この手の不毛で執拗で意味不明の審問と不快さは今の裁判も変わらないのかもしれない。
男の独りよがり、身勝手やメンツの誇示は現代も変わっていないかもしれない。
そして姑や友人の意地悪や嫉妬、悪意。
女の付属感やオンナの世界の住みにくさ、ドロドロ感もまた今も昔も変わらないのかもしれない。
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