このレビューはネタバレを含みます
『わからん、さっぱりわからん。』
という志村喬の声が聞こえてきそうな、R.スコット監督版『羅生門』ですね。
いろいろな勘繰りが頭の中に浮かんできて、真実はいったいどうなのか?
中世ヨーロッパが舞台ということで、セットや衣装などが凝ってます。決闘場の旗の風になびく様子は、黒澤作品を意識している感じがします。
そして何より、全体的に暗めのトーン。作品の時代感や雰囲気を物語っています。光と影の魔術師R.スコット監督の真骨頂でしょう、実に陰影の描写が印象的です。このあたりにも『羅生門』を感じさせます。
あと、A.ドライバーが男前だという設定には、少々違和感を感じました。
違和感と言えばもう一つ、いつの間にか懐妊し、強引にお子様の登場で終わるラスト。ディズニーからの要求だったのでしょうか。