Ryoko

最後の決闘裁判のRyokoのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.8
中世のフランスが舞台の実話をもとにした決闘裁判の話。「羅生門」のように、事件前後の被害者の夫、被告、被害者(妻)の三者三様の目線が描かれる。
話す人物が違っていたり、心に刻まれた言葉が違っていたりそれぞれの事情がわかり、何度か見返してみて間違い探ししてみても面白いかも…。
封建主義のもと、貴族や王族へのご機嫌取り、コネクション形成、手柄とりに必死な男性陣。そのため虚栄心と権力欲にあふれ、女性(妻)に対しても慈しみがなく、まるで自分の所有物のように扱う。
フランスでも騎士道精神みたいなものがあったのではないかと思うけれど、気品も誠実さも感じられなかった。妊娠の仕方だって非科学的なことがあたりまえにまかり通っていて、しかも裁判で女性に対してセカンドレイプのような質問を平気でする裁判官たちも嫌。
といったような不快感もありながら、決闘の行方は気になり面白く見れました。
自分にとっては「ひたすら妻を応援する」映画でした。
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