伊達巻

最善の人生の伊達巻のレビュー・感想・評価

最善の人生(2021年製作の映画)
4.3
カーテンのない窓から差し込む街灯に青く染められた滑らかな体に響く音は舌の上でせわしなく弾け続ける31のアイスクリームの音と少し似ている気がした。映画が始まって間もなく車内で眠っているガンイ。体育の場面でもすぐ欠伸するし、話を聞いている時もどこか虚な表情、「どこか知らないところへ行きたい」と夢みる彼女が望んだものは楽しかった毎日の思い出だけだった。もう戻れない、でもなんで戻れないのかわからない。背後からではない、呼び止めて面と向き合ったあのシーンの切実な暴発が苦しい。より良い人生のために最悪な道を歩む、それが最善の生き方、偽物の希望
伊達巻

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