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カード・カウンターのmtのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.0
某映画批評YouTubeでやたらポール・シュナイダーがフィーチャーされてて、今まで全く意識していたなかったのですが、アマプラに入っていたのでこの機会に鑑賞。
この作品だけかもしれませんが、とにかく静謐で独特なテンポで、派手さはないけど、視聴者の興味をぐっと引き込んで、魅せていく感じが素晴らしかったです!冒頭のカジノで勝つテクニックについても端的かつ分かりやすく伝えてくれて、映画世界にさらっと入り込ませていてとても効果的だと思いました(その後このテクをどう使っているかあまり出てきませんが笑)
この解説がないと、主人公が何か超人的な力でギャンブルで勝てるという、やや軸がずれたストーリーになってしまうと思うし、ただ淡々と作業のようにカードゲームに取り組む姿勢がテルの性格というか、独特の闇も感じさせて一石二鳥のようなシーンだったと思います。
そもそも、彼の異常性は、モーテルのシーンで分かりやすく登場しますが笑
なにより少し中二感も感じられるウィリアム・テルことオスカー・アイザックの演技がかっこいい!その他の登場人物も最低限ながら最適な役者を配置していて、まったく抜かりなしと思いました。
何と言っても、楽しんでいいシーンかどうか分かりませんが、特殊効果好きとしてはアブグレイブ刑務所の撮影の仕方がとにかく新鮮で、めちゃくちゃかっこよかったです。VR用撮影したものを、そのまま加工せず平面化したのかなと思ったら、オーバーサイズ気味に横長に撮影したものをデジタル加工してあの形にしているらしいですが、あの効果は初めて見るので、かなり新鮮でした。
ラストの絵も本当にそれが救いかどうか分かりませんが、わずかな希望を感じさせるような画になっていて、そこも良かったです。
あと「USA!」ニキも、単純バカそうに見えてちゃんとゲームに強いし、複雑な背景を抱えていそうで、良かったです笑
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