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LAMB/ラムのdm10foreverのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
4.2
【ミルフィーユ】

また、いかにもA24らしいっちゃらしい映画だね~。
「北欧の雄大な自然と羊飼い」しか出てこないのに画面はずっと不穏っていう。
でも「MIDSOMMAR」のようなドロドロの疲労感には襲われるような事もなかったので、レベル的には観やすい方なのかな・・・って気もした。

この作品の主演はマリアを演じたノオミ・ラパスで間違いないんだけど、もし助演女優賞候補を挙げるならあの母羊で決定。
昼も夜も土砂降りの雨の中も、ひたすら我が子に向かって「ンメ~~~~~~~!」と叫び続ける姿を熱演しただけではなく、マリアから「来るな!」と恫喝された際に見せた「憤懣と憎悪」に満ちたあの表情は並みの羊には出来ません(今あれが出来る羊は彼女と吉田羊だけ)。

「多様性」という言葉がトレンドとなっている昨今、そろそろアカデミー賞でも動物に対する表彰を検討してはいかがでしょうか?いや、マジで。

・・・ってなことを申しておりますが、これはお話としてはとてもシンプルなんだけど、それを構成するいくいくつかのファクターがミルフィーユのように重なり合っていて、結果的にはなかなか濃いお話になっていたと思います。
一言で言えば『寓話的な棘のある物語』

「どうして【アダ】が生まれたのか?」
「何故羊だったのか?」
「クライマックスはどういう意味だったのか?」
ん~~いかにもA24って感じのテイストですよね~。

ということで、僕なりの考察も含めネタばれも含むので、続きはフィルターをかけてコメ欄に残します。
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