ばり夫

ガール・イン・ザ・ベースメントのばり夫のレビュー・感想・評価

3.3
過去最多で「イカれてんなぁ……」と鑑賞中に呟いた作品はまさしくこの映画。

実話を元にしたと言うこの映画。故に「イカれてんなぁ……」の呟きが止まらない。その呟きは皆目ぼやきと言ってもいい程、ポップコーンを取る手が止まるどころかむしろ吐き気を催すような邪悪を詰め込んだ一品。

『実際に有った話』あくまでエンターテイメントでもある映画作品はその実話を盛りに盛りこんで脚色しがちですが、逆で有って欲しいと思えるのも珍しいと言えるでしょう。仮に創作話だったとしても「イカれてる」事に変わりはありませんが……。

しかし物語の後半、犯人である父親が自身の孫に向けた純粋な笑顔は、まだ辛うじて彼が人間である事を示唆していたかの様に思えます。恐らくこの部分は創作的要素が絡んでいるのでしょうが、この人も少しだけ人生の何かが違えば、普通のお爺さんとして一人前の幸せを感じていたのかもしれない。映画と言う創作を通して、心なしかそんなメッセージ性を私は感じました。

イカれてますけどね。
ばり夫

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