怨念大納言

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲の怨念大納言のレビュー・感想・評価

4.0
クレしん映画指折りの名作で、泣けて笑える素敵映画です。

子供向けアニメでは、勧善懲悪を分かりやすくする為に、デフォルメされた悪役らしい悪役が登場する事が殆どだけど、本作の悪役は異質でかつ非常に魅力的。

空っぽの心を埋める為に物を作り続けた先は、汚い金と燃えないゴミに溢れた21世紀。
20世紀に憧れた理想の21世紀と、現実の21世紀とのギャップに失望し、日本を20世紀に戻そうとするケンとチャコ。

理想の過去に留まるか、未来へ進むか。

ケンとチャコが、同棲関係にある所も面白い。
恋人という理想と、結婚という現実の中間点。
彼らにも迷いがあったのだろう。

ラストの「また家族に邪魔された」はかっこ良すぎですわ。

半分は、彼らの物語です。

そして、もう半分は野原一家と春日部防衛隊の物語なんですけど、例の如くひろしが熱いんです。

世の中だとか、国だとか、将来だとか。そんな不安よりも、家族がいるというそれだけの理由で未来を選んだ野原ファミリー。
素敵です。

ケンも素敵ですが、やはりひろしのように生きねば。

それと笑える所はちゃんと笑わせてくれましたし、個人的には紅さそり隊が大人側にカウントされている所も笑いました。
女子高生なんですけどね。
スタイルが古典的なだけで。
怨念大納言

怨念大納言