MasaichiYaguchi

プリテンダーズのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

プリテンダーズ(2021年製作の映画)
3.7
SNSを武器に社会を変えようと奮闘する女子高生の姿を、社会風刺を交えて描いた熊坂出監督オリジナル作品は、世間から無視されたことで、究極の構ってちゃんになった17歳の花田花梨は、現実にフィクションを加えてファンタジーを生み出し、世界を変えてやろうとする姿を描いていく。
社会に反抗心を抱き、父親と言い争いをして家を飛び出した花梨は、親友の風子のところに転がり込む。
或る日、自ら行った善意の行動にに抱いた得も言われぬ感覚を切っ掛けに、「ドッキリ企画」で世界平和をもたらそうと考えつく。
風子と共に「プリテンダーズ」を名乗り、アイデアとSNSを武器に色々と仕掛け、そのフィクションの力で世直しをしようとする彼女たちは、協力者を増やしてバズることに成功する。
だが「好事魔多し」と言われるように、「プリテンダーズ」による一種の詐欺行為に対し、彼女らは手痛いしっぺ返しを食らうことになる。
しっぺ返しを食らった後、カメラの長回しで花梨が心情を語るシーンが出てくるが、その独白は彼女の気持ちがストレートに出ていて胸に響く。
この手の作品だと、ほろ苦い又は後味の悪い結末が多い結末が多いが、本作の場合、ほっこりとしたラストで温もりが残ります。