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プリテンダーズのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

プリテンダーズ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

動画投稿で世界を変えようとする少女達の話。

なんとなく、女子高生向けの爽やか青春映画を想像していたのですが、予想外にハードコアな内容でビックリ。
とにかくまぁ、主人公の花梨が嫌な奴なんですよね~。
中二病を拗らせた様な痛い性格に加え、炎上上等な承認欲求モンスターでもあり、批判されるとネットで仕入れた知識で反論してくる始末。
こんなにも見ていて、ムカムカするキャラクターもなかなかいないのではないでしょうか。

彼女が考える「プリテンダーズ」も最初は良いアイディアだなと思ったのですが、段々と当初の理念からは離れ、拡散目的の炎上コンテンツ化していくと。
何がムカつくかって、それに関わる人の迷惑をまったく考えていない事。
フラッシュモブみたいな事をやられても不快に思う人はいるだろうし、ヘイト動画がどれだけの憎しみを生み出すのかも、まるで分かっていない。
それでいて「世界を変える為」という自己中な綺麗事ばかり並べるので、うんざりしちゃいましたよ。

結局、彼女の身勝手さに周囲の人間も離れ始め、動画のやらせ問題も告発されてジ・エンド。
最終的には自らの過ちを認め、相応の代償を払う事になります。
主人公が痛い目に遭うのを見て、スカっとするかと言うと、そうでもなくて…。
どこか同情してしまうのは、自分の中にも花梨的な弱さやズルさがあるからなんでしょうね。

印象的だったのは、記者に問い詰めれられてからの一連のシーン。
小野花梨の体を張った演技も凄かったし、渋谷駅前でのゲリラ撮影も凄かった。
てっきり、画面に映ってるのはエキストラなのかと思っていたのですが、どうやら本当にゲリラ撮影だった様で。
演技とはいえ、あんなに叫んでいる人がいるのに、無視して通行する人が多い事にも驚かされます。

小野花梨をしっかり見るのは『鈴木先生』以来だったのですが、相変わらず良い役者だな~と思いました。
『鈴木先生』でも結構エキセントリックな役柄だったと思うのですが、こういう人を少しイラっとさせる役が得意な人なのかもしれません。
最近は初主演作もあったりと、ブレイクしかけてるのかな?
今後の活躍が楽しみですね。
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