笑いのカイブツに取り憑かれた、笑いのカイブツのお話。
すごく生々しくて、キラキラした世界のキラキラしていない部分だなと思った。
そのうえで、それがとても魅力的で、グロテスクで、一緒にしんどくなってしまうような、心を抉られる感覚になるような、そんな映画。
プロに求められている社会性みたいなものと、面白いが正解のケータイ大喜利の視聴者やハガキ職人とのギャップがあって、
「正しい世界で生きたい」は後者寄りの感覚で、
でもお笑いの世界の正義は面白いことであるのも正しくて、
カイブツになってしまうほど突き詰められるそれは苦しさを伴う才能なんだと思ったし、しんどすぎるくらい純粋な熱は、それがどれだけ苦しくてもやっぱり羨ましく感じてしまった。
漫才指導の髙比良くるまさんがコメントにて「リアリティがあるんじゃなく、リアルな映画」と仰っていたけれど、芸人さんがそう評価した映画を鑑賞できるのは、これはとても幸せだなぁと。