めんち

笑いのカイブツのめんちのネタバレレビュー・内容・結末

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

当たり前なのだが、主人公のツチヤタカユキがちっともチャーミングじゃない。
チャーミングじゃない「笑いのカイブツ」として存在することを求められていて、それは冒頭の歪んだギターの音がするカットからも明示されているから仕方ない。
むしろ、そう観客の目に映るのはこの映画の成功すら意味している。
しかし、ならばこそ周囲が少しはチャーミングでないと、しんどくて観ていられない。
特に大阪の作家の空気などは「リアルすぎる」と令和ロマンが触れたように、キツい。
そんななかで、菅田将暉演じるピンクの言葉が響く。
「皮肉やのぉ」というあの居酒屋での菅田将暉のセリフは、ツチヤへの祝福であり呪いであり、この映画がどうしてこうなるのかの提示でもある。

一方で、そのピンクが何者なのかは明瞭には語られず、そのように、どうしてこうなったのかが情報の不足でわからない場面も多く、そこは脚本の粗ではないかと思った。
あと、あの扱いでは、トカゲも報われなかろう。
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