かず

女神の継承のかずのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
3.5
カメラマン戦犯過ぎないか?と思ってしまった。
ネタバレになるから深くは言えないが、「赤ちゃんが居るかどうか見て」と言われて、見に行って籠にいる赤ちゃんを発見した時点でお母さんへ「赤ちゃん居ますよ!ほら!」ってとりあえず声出して赤ちゃんを抱えて見せればあんな凶行には及ばなかった。
あと日本の怪談でもよくある話だけども「閉じ込めた(或いは閉じ込められた)部屋から呼びかけられても応えてはいけない。扉を開けてはならない」はホラー1年共通科目試験で真っ先に出てくるあるある問題なのにこいつら素人か?とイライラしてしまった。お祓いの儀式に人を見送ったら、その人達が帰ってくるまでが儀式です。気を抜くな。(戒め)
全体的にはルポライターとかドキュメンタリーインタビュー方式で物語が続いていく感じとか、とても面白かったです。
あとこれも日本ホラーでよくある話だけども、お祀りしている神様が良いものだと盲目に信じるのも良くない。恐ろしいものを「かみさま」と敬い奉っていることでお怒りを鎮めているだけのやべぇものの可能性もある。また、お祀りしているのがガチ神様だとしてもガチ神様は人間とは別の価値観で生きているものなので、人間の常識と良識で施しを下さると期待してはいけない。ガチ神様だとしても基本天上から目線でものを見ているから「薄汚れた現世で生きてるの可哀想。救ってあげよ」で命取られることもあるしどちらにせよ距離感大事。
もしお祀りしているのがヤバ寄り案件なら、連綿と続けてきた儀式を変に捻じ曲げた(継承拒否)のは良くなかったなと思った。まあ、現代を生きる我々は少しずつ畏敬の念も薄れているから仕方ないし難しい所はあるけれども。
姉妹間での話し合いが十分に取れなかったのも良くなかった。途中、別宗教の除霊師にお縋りしたのは割と最悪な結果だったけど、あれは妹が姉に「女神の継承は出来ないけど、別の方法でお祓いするから時間を頂戴」とハッキリ意志を伝える必要があった。
なんにせよ、時間分は楽しめた映画でした。
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