かず

君たちはどう生きるかのかずのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

まず、宮崎駿監督の自伝的な要素がある映画……という点で見るとあまりに家庭環境の複雑さに驚いた。一瞬、スピルバーグ監督の自伝的映画『フェイブルマンズ』が脳裏を過ぎり、巨匠は複雑な家庭環境でないと育たないのか?とツッコミを入れてしまいたくなるくらいにはあまり見ない家庭環境。
でもそれは現代日本を生きている自分の感覚での物言いなので、戦時中ではままあったことなのかもしれない。

最初物語はゆったりと始まる。途中から夢の中にいるかのような不思議なファンタジー世界が展開され、最終的には主人公は元の世界に戻ることを決断し、義理の母と現実に向き合う形で終了する。

個人的な感想としては、じわじわ面白い映画だった。鑑賞直後は「あー面白かった!」とはならず、バーガーキングでBBQワッパーのセットを食べながら、消化しきれないことをレシートの裏に書き連ねた。以下がそのメモである。
・実母の頭の傷はなぜ主人公と同じ場所にあった?偶然?もしかして病気と関係する?
・母屋ではなく、別棟で寝起きするのはなぜ?(戦時中だから?義母も別棟で寝起きしていたからそういう習慣?)
・主人公が義母や父と一緒に食事をせず、使用人と一緒に、しかも末席らしき場所(ドア近く)で食べていたのはなぜ?一応跡取り息子では?
・風切りの7番が弱点なのはなぜ?
・赤い薔薇の理由は?
・石が義母夏子を返さなかったのはなぜ?
・主人公眞人と青鷺は132。久子、キリは559。このドア番号の意味は?
・たまに過去ジブリ作品のワンシーンのようなシーンがあるのはなぜ?
例:船達▶︎紅の豚の死んだ飛行機乗り達の戦闘機
魚をナイフで捌く▶︎もののけ姫
トンネルの中を歩く人の動きに合わせて光る壁の石▶︎耳をすませば
流星群のシーン▶︎ハウル

疑問を出して、自分でじっくり妄想遊びをするのが楽しい作品でした。
かず

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