このレビューはネタバレを含みます
原作は50回ぐらい繰り返し読んでるので、2時間で山王戦を盛り込むとなるとやはり個人的に好きなセリフなんかがカットされてしまう。
「焦ったな三井、ディフェンスに対抗しようとして」とか。
あと試合前に前年の山王と海南の試合のビデオの中での牧の焦りの表情とかも見たいシーンだったけど、あくまでも試合は軸でありつつも核ではなく、根底は宮城リョータの背景なんだと思ったのでまぁしかたない。
あと、客席に海南のメンバーや、陵南の魚住が出てこないのもちょっと残念。
でもなんと言っても深津のパスプレーとか河田の腕の筋肉とか沢北のしなやかなダンクとか観られたのが最高だった。
花道の好きな活躍の場面もたくさんあったし。
「返せ!」とか。
「入ってろ!」とか。
ボールを弾きまくりながらのリバウンド取りで堂本監督のド肝を抜くところとか。もう原作で何度も何度も読んでるのに涙が出てしまう。
それと泣きはしないけどタプタプもw
原作のト書きに当たる部分がなかったけど、かえって試合をライブで観てるような気にもなった。
(後半前の「あ、山王がもうコートに」からの
『優勝して当たり前 勝ち続ける度に~』のト書きは原作で一番好きな場面だけど、今回ト書きはなくてもコートに先に出て戦闘態勢に入る山王後半メンバーが描かれてたのは嬉しかった)。
花道のルーズボールのシーンも晴子さんがゴリに花道のことを語るシーンが挿入されてて欲しかった。
とか欲を言えばキリがないけど、でもアナザーストーリー込みで待った甲斐のある仕上がりだった。
沢北の神社でのお願いとラストの泣き崩れのリンクとか、
ミッチーが復帰する時、頭を深々と下げたこととか。
試合のラストの9.4秒の迫力が凄かった。
花道の「左手は添えるだけ」に音を付けなかった分、流川との勝利のタッチの音がズドーンって響いたし、あの一連の映像は原作通りで最高だった。
あと、細かい部分、スクリーンの端にいる花道の動きとか姿勢とかもきっちり描かれていて、ここはさすがの井上雄彦さんだなと思った。
隅々まで説得力がある画にされてる。
「山王戦をやる」と聞いたとき、
連載当時井上雄彦さんが描いていたという山王が勝つ展開というのを見たいなとも思ったけど、終わってみればやはり原作通りで良かったと思えた。
観てて何度も涙が溢れた。
追記
「トーテムポールみたいな顔してるくせに」
「あ?」
「流川ごときにやられてんじゃねぇよ」
「?」
「俺なら止めてたぜ(ムカムカ)」
のセリフは聞きたかったなw
あと美紀男の「ごむぇーん兄ちゃん」もw
それとルールが当時のままのハーフ制なのも良かった。