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THE FIRST SLAM DUNKのdm10foreverのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.7
【「知ってる奴」の「知らない横顔」】

「・・・でもね、俺、この部活入って良かったと思ってるよ」

僕が高校生のとき、同じサッカー部にいた友人が引退の時に呟いた忘れられない一言。

それまで何一つ部活に属したことがなく、小、中もいわゆる「帰宅部」として生きてきた彼が、何を血迷ったか(失礼)突然高校からサッカーを始めてみたいと思って入部してきた、ある意味「メンタルモンスター」だった。

まぁ当然のことながら今までやってきた奴らとの差は歴然で、試合に出られないのは勿論、練習ですら他の奴らについて行けずにいつもずっと後からついてきた。
でも、決して弱音は吐かなかった。
失礼ながら僕も最初の頃は(こりゃ3年間もたないだろうな・・・)って思ったさ。
でも最後まで必死についてくる彼を見ていたら、いつの間にかこっちまで感化されてしまった。

ある日、後輩たちが影で「あの先輩、下手っすよね~。ってか何で辞めないんだろ?」と笑っているのを聞いてしまった僕は、咄嗟に「下手なのは仕方ない。でもアイツが部活に居て何か困るのか!?」と珍しく怒鳴ってしまった。

(いいじゃないか。サッカーが好きなんだから)

「ねぇdm君(同い年だけど彼はいつもみんなに君付けだった)。どうやったら走りながら上手くボールを蹴れるようになるのかな」
僕はGKだったから練習も別メニューが多かったけど、全体練習後に何度も付き合って練習したっけ。

そんな彼が引退まで頑張って最後に言ったのが「あの言葉」だった。
スラムダンクの中でも似たようなセリフがあって、昨日改めて観た(聞いた)瞬間、心の中がざわざわして思わず涙がこみ上げて来た・・・。

この作品で僕のように「いろんなものが蘇った」という方も多いのではないだろうか。

そうそう、あの時のちょいとした忘れ物は「あの決戦の場」に・・・・。
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