遊

まわり道 4K レストア版の遊のレビュー・感想・評価

まわり道 4K レストア版(1975年製作の映画)
-
「作家なのに人間が嫌い」
常に斜に構えた醒めた目で、俯瞰で世界を見ている(つもりの)人間が作家になろうとするのかもな  

目的地もない、起承転結もないだらっとしたロードムービーなのに「まわり道」なのは何故なんだろう、全部ひっくるめて人生や世界を深い奥の部分で全肯定しているのかな、そう思うとじんわりと良い映画だったなあ、これからもなんか道を歩いてる時とかにちょいちょい思い出すだろうなあと もうそれで良いんだけど
原題の直訳は「誤った動き」(英題は The wrong move)だそうで、歴史的文脈を理解した上で観るとかなり諦めの境地、絶望とか限界みたいなものを湛えた作品のようで、どっちにしろ味わいぶかい

10代半ばのナスターシャキンスキーはパリ、テキサスの時とはまた違う神聖不可侵さを帯びている
SOMEWHEREのエルファニングも人間ではない神々しさを放っているけど、どっちかの一神教を信奉するとしたらわたしはナタキン教徒
遊