まだ子どもらしさが感じられるナスターシャ・キンスキーとファスビンダー作品とは違った雰囲気のハンナ・シグラが同時に見られる、というのが、とても貴重な材料だったと思うが、何もしゃべらないナスターシャ・キ…
>>続きを読む■ビルドゥングス・ロマンのパロディ
『教養主義の没落』という新書があるが、こうした事態は先進国共通だったようだ。本作のストーリーは、主人公の名前からも明白なように、ドイツのビルドゥングスロマンの伝…
仲間が1人ずつ増えていき、1人ずつ離れていく、孤独の解釈を拡げていく作品であった。
主人公を取り巻く環境やキャラクターがどこか実存感がなく、タイプの異なる負のニュアンスに動きを与えたものではないかと…
徐々に仲間が増えていく桃太郎みたいなロードムービーだが、ストレートな展開とは行かないのが肝。発展する社会の中で、人生の理想形に追われる人々の"不安"との対峙を描く六重奏。戦後の西ドイツが舞台とはいえ…
>>続きを読む旅の不自然な出逢いを自然に撮ってしまうヴェンダースという傾き者。書けない作家、売れない女優、女芸人、元ナチス党員。不自然すぎる一座が形成され、一本道を歩く。ロードムービーのようで会話劇。
主人公の…
ヴィムヴェンダース5本目。
前作『都会のアリス』と比べると物語の必然性がだいぶ薄いけど破綻しているわけではなく観やすかった。
ボンの町でテレーゼと合流する辺りから気持ち良さが増してゆき、孤独の話と夢…
自室の窓を拳で割っちゃう作家志望の男ヴィルヘルム。母の勧めで旅に出るとあれよあれよと言う間に歌手、大道芸人、女優、詩人と旅のお供が増えていく。
妙に不穏な音楽が、彼らの旅路は明るくないことを予感さ…
© Wim Wenders Stiftung 2015