アランスミシー

パリ、テキサス 2K レストア版のアランスミシーのレビュー・感想・評価

5.0
橋で叫ぶ男(共産主義国家への警告)
=ノスタルジアの演説男からの影響

レインマンへの影響


安全志向→挑戦志向(ノスタルジアと同様)


仕事を辞めた家から出なくなる=外交を断絶して鎖国状態になり、家(国家)への収入停止
妻への束縛=保守に手を貸すような裏切り行為をしないように束縛
逃げ出す=?

自分の浮気への嫉妬有無テストの結果無反応
=政策を資本主義に寄せてもそれに反対する意志を見せなかった事から、民意は別に共産主義に従順である訳では無かったと悟り絶望



テキサス=更地
=アメリカにおける保守vsリベラルの境界線
アメリカ開拓史における自由を求めたリベラル思想の始まりの土地

ベルリンの壁
=ドイツにおける資本vs共産の境界線

ウォルト=米国東海岸に留まった保守主義アメリカ人のシンボル
アン=西ベルリンに留まった保守主義ドイツ人のシンボル

トラヴィス=米国西海岸へ革命に飛び立ったリベラル米国人のシンボル
ジェーン=東ベルリンへ革命に飛び立ったリベラルドイツ人のシンボル

トラヴィスとジェーンはリベラル派過激派として活動に加担した結果、子育てまで放棄し仕舞いには(80年代ソ連政府&国民間の思想摩擦の如く)夫婦仲も冷め、妻に見捨てられたトラヴィスは独りリベラル保守闘争の境界線であるテキサスの砂漠へ目的を失い行き果てる。

《飛行機搭乗シーン》
土を離れる=土に根付く事をシンボルに掲げる共産主義を離れる事を恐れる主人公。

《ビルボード》ここでジェーンを取り戻すという挑戦志向の回復が見られる
ウォルト「高所恐怖症と思ってた」
トラヴィス「高所は平気だが落ちるのは怖い」
ウォルト「じゃ、下を見るなよ」
トラヴィス「地上ではこんなふうに見えない」
ウォルト「どういう意味?」
トラヴィス「ここの方がよく見える」
→安定して広がる標高の高い大地なら問題無いが山脈のような浮き沈みの激しい資本主義社会に恐怖するトラヴィスだが、より客観的視野を持つ事による感情的思想では見られなかった発見がここで生まれる。
一方ウォルトは、下を見なければ大丈夫だと言う資本主義に慣れたトラヴィスの発言(その業務内容も広告というまさに資本主義の象徴)



ボンネットに傷がある同じ車=心に傷を持つ自分と同じアイデンティティを持つ車から離れられない安全志向に陥ってる主人公

ウォルト「(写真を見て)何もない」
トラヴィス「(笑いながら)空っぽ」
ウォルト「なぜそんな空き地を買ったんだ?」

空き地=心に空いた穴?

ウォルト「驚いたな、食べる気になったんだね?食べて話す。これで人間の暮らしに戻れるよ」
トラヴィス「運転しようか?」
ウォルト「運転を覚えてるのか?」
トラヴィス「体が覚えてる」

挑戦志向への傾向。しかしすぐに再発し、

ウォルト「どこで降りた?」
トラヴィス「分からない、標識はなかった」
Didn’t have the name.
名前のない土地。
トラヴィス「高速道路を見つけるよ」

高速道路=資本主義社会に引かれたレール
下道=そのレールを踏み外した人たちの居場所

パリ、テキサス=両親が初めて愛し合った場所=自分のルーツ
トラヴィス「僕の出発点なのさ」