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アステロイド・シティのなおのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.8
ウェス・アンダーソン監督最新作。

昨年公開『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』が自分の肌に合わなかったこともあり鑑賞するか二の足を踏んでいたが、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクスなど自分にとってなじみ深いキャスト陣が顔を揃えていたので公開日翌日の朝イチ上映回へGO。

舞台は1950年代アメリカの、人口80あまりの小さな小さな町、アステロイド・シティ。
そんなアステロイド・シティに暮らす人びとの前に、突如として「宇宙人」が現れる。
この大事件をきっかけに巻き起こる様々な”小事件”を切り取る、ウェス・アンダーソン監督らしいシュールかつシニカルなコメディ作品。

✏️豪華キャスト陣
率直に本作の感想を言うと、「食わず嫌いせず見てよかった」その一言に尽きる。

そしてそんな本作を鑑賞に踏み切らせてくれた豪華キャスト陣の顔ぶれにまずは感謝の気持ちを表したい。

自分にとってはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でおなじみスカーレット・ヨハンソン。
コメディも感動系もイケる超実力派俳優トム・ハンクス。
まずはこの2大巨頭がいてくれたことにより、筆舌しがたい安心感と安定感を本作にもたらしてくれた。

そのほか、ジェフリー・ライトにティルダ・スウィントン、エドワード・ノートンなど説明不要の有名俳優陣。
『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストンに久しぶりに会えたのも嬉しかった。
(同作出演時よりちょっと痩せてたような?)

またチョイ役ではあるがマーゴット・ロビーにウィレム・デフォー。
これまたアメコミヒーロー映画シリーズを追いかけている自分としては嬉しい顔ぶれ。

あとソフィア・リリスとビル・マーレイもいたらしいけど、どこにいた?

✏️目覚めたければ…
そんな豪華俳優陣がお送りする本作。

基本プロットは登場人物による会話劇中心だが、アンダーソン監督作品としての前作『フレンチ~』よりも会話の内容が単純明快で分かりやすく、頭の中でセリフの意味を咀嚼するまでもなく「フフッ…」と笑うことができる。

いわゆる「爆笑」、捧腹絶倒のような笑いではなく、あくまで「冷めておりかつ一歩引いているような、シュールでシニカルな笑い」を観客にお届け。
決して万人受けする笑いのジャンルではないが、これが好きな人にはもうたまらない。

件の宇宙人の登場シーンとか劇場全体で笑いが起きてましたね。
あのちょうどいいチープなCGのクオリティ、20年くらい前のNHKの教育番組を思い出してしまいましたよ。

そんな分かりやすい笑いがあれば、アンダーソン監督らしい暗喩のようなものも仕込まれていそう。

「目覚めたければ、眠れ」
あのシーンは迫力ありましたね~…
何かの文学作品とかからの引用なのかな?

自分はそういった考察は他人に任せる派なのでこれ以上の追求はしませんが、「単純明快なコメディとして」「メッセージ性を読み解く作品として」一度で二度おいしい作品に仕上がっているなぁと思いました。

☑️まとめ
自分にとってなじみ深い俳優陣の豪華共演、そして分かりやすい物語と笑いのセンテンス。

本作のチケットを購入してから本作がアンダーソン監督作品であることに気づいたのだが、やっぱり食わず嫌いは良くない。

全ての人に…
はさすがに言い過ぎだが、シュールで冷えた笑いを欲している人には迷わずオススメしたい作品。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★★
😲驚 き:★★★☆☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:85(39)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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