ShojiIkura

余命10年のShojiIkuraのネタバレレビュー・内容・結末

余命10年(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 「余命」を知らされた人がその日まで懸命に生きる。テーマとして心を揺るがす可能性はとても高い。それが事実を元にしているならなおのこと。そうなると、それを演じるアクターが、逆に冷静に、自然に、その役を演じられるかどうか、あるいは事実に脚色した部分で盛り上げるか下げるかが、作品の成否にかかるところだと思う。 その意味で、ヒロイン、小松菜奈さん演じる茉莉の演技は圧巻で、茉莉の家族を演じる黒木華さん、原日出子さん、松重さんの演技も、不治の病の家族をそれぞれのやり方で支える演技に感動した。
 一方で和人役の坂口健太郎はどうだろう?自殺を図るまでしながら、茉莉との出会いで再生・成長していく和人は、キャラクターとして出だしがクズだし、最終的にも茉莉に不治の病であることを伝えられて(付き合ってて気付かないの?も含め)うろたえるだけで「そんなの関係ない、結婚しよう」と言えないのはちょっと情けないと思い、独立して店を持つぐらいでは和人に共感できなかった。原作から脚色して和人の視点を多くしたのは悪くなかったのだが…。
 ところで、、生きることをテーマにしたこの映画に出演した原日出子さんは、実生活の事件を受けて今、どう思っているのだろう…?
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