叡福寺清子

イノセンツの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

まず初めに言っておきますが猫は無事ではありません.そこんとこは覚悟してのご視聴をお願いいたします.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

団地,超能力,少年少女といえば連想するのは当然ながら「童夢」.公式HPにもその旨が記載されています.ではあっても,「童夢」のような派手な破壊描写が作中にあるわけではございません.むしろ見えない力による心理的圧迫感が強調される作品でございました.
「童夢」のチョウさんにあたるのがベン少年.猫の命を奪う事になんの躊躇もない,人としてのなにかが欠落したベン少年.そんな少年ですのでアイツ嫌いとか遊び半分で超能力を使っちゃいます.そしてベン君はインド系の移民で母子家庭.ココ大事.
エッちゃんに相当するのが重度の自閉症少女アナさんと,バフ担当のアイシャさんとアナ少女の妹であるイーダさん.アイシャさんだけがアナさんの考えを読み取れます.そのアイシャさんは皮膚の色が斑で,やはり母子家庭.ココも大事.
唯一ご両親が揃っているのはアナさんとイーダ姉妹のご家庭のみ.でも前述したようにアナさんは重篤な自閉症で,通常では外界や他者との交流はほぼ不可能な状態でした.すなわち,ご両親が揃っていて,心身ともに健常者だったのはイーダさんだけでした.でもそのイーダさん.冒頭で反応がないことを良いことにアナさんの太腿をつねったり,公園で見かけた蚯蚓を踏み潰すといった,子供らしい嗜虐性を提示します.
そう,登場する子供達は4人ともになんらかの欠損や非社会性を抱えていました.でも,本来子供ってそういうものですよね.だって子供なんですもの.私の落語会に小学生以下お断りしているのも,同じ事です.子供は子供って生き物であって,人間じゃないんですよ.

それはともかくとして,生き残ったのが姉妹だけってのは,移民は諾威人の為に命尽くせやって事の暗示・・・さすがにそれは捻くれすぎでしょうか.