けっこう序盤で大筋の予想がついてしまい、以降は答え合わせな感じで観ていたら、概ね予想通りだった。原題は「A Perfect Enemy」で、このタイトルもストーリー予想の手掛かりになった。
「ロスト・ボディ」というとスペイン映画のサスペンス・ミステリーがなかなか面白かったが、本作はだいぶ毛色が違う。主人公の建築家と彼につきまとう謎の女性のほぼ二人芝居。ポスターのビジュアルとオープニングが何だか抽象的でアート系だけど、終盤でちゃんとそれらしいシーンが出てくる。
ベルギーの作家の原作があるそうで、このタイプの話は小説で脳内イメージを楽しむ方が良いと思う(邦訳はなさそうだけど)
その一方、観客をだまし、意表をつくのに映画向きとも言える。しかし映像化されると観客はどうしてもミスリードされてしまいズルいと感じる。しかも本作は矛盾の少ない映像化という観点ではツッコミどころが多い。まあ、欧州映画なので心理劇として楽しむのが良いのだろう。