『死刑にいたる病』をFan’s Voice（@fansvoicejp）独占オンライン最速試写会で鑑賞。
予告編を観た時に、主演の阿部サダオの暗く光のない眼がとても印象的で、かつ今とても注目している白石和彌さんが監督ということでとても期待していた作品。
あらすじからわかるんですが、結構過激な猟奇的描写があります。観てて痛くなる感じ。
自分は韓国ノワール観るのである程度そういう描写も慣れてるんですが、それでも生理的な不快感は拭えず、目を逸らすことが数回ありました。
榛村演じる阿部サダオのなんと恐ろしいことか。
榛村という役は人を信用させ時間をかけて獲物を狩る殺人鬼なのですが、その設定に阿部サダオのもつ空気がピッタリで、これ以上ないキャスティングだと思いました。また、事件の謎を追う大学生の雅也を演じた岡田健史もビジュアルや陽気な雰囲気が一切キャラクターを邪魔することなく、「流されやすく何者にもなれない自分に鬱屈とした気持ちをもつ大学生」を見事に体現していたと思います。
演出としては、捕まる直前の榛村の行動と、榛村と雅也の面会シーンが秀逸でした。
捕まる直前のシーンは、まさかこれがアレだったとは…と後から事実がわかるんですが、わかったらわかったで胸くそ悪くなる内容で…でもそれを最初は感じさせないんですよ。むしろ綺麗だなって思ってしまった…そのギャップが良かったです。
また、面会シーンはいろんな角度で撮ることで視覚的にも面白いし、心理描写に深みが出ていてとても面白かったです。
惜しむらくは、雅也と同級生の女の子が絡むシーンがかなり違和感があったことです。それはないな、と虚を削がれてしまったのが残念でした。
全体としては劇場でまた観たいと思わせてくれる作品だったので、満足です！
