Pippi

死刑にいたる病のPippiのネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

グロ系が苦手な人にはお勧めしないかも、、、
原作未読で、ただ予告に惹かれて観た私は
グロ系得意なわけじゃない人間だったので
序盤から結構食らった、、、

ストーリーはすごく面白かったです。
シリアルキラーって、人に好かれやすい人柄を
していて、犯行の手口は自分の美学を自ら
体現していると思わされるほど秩序的なもの
という印象が強いですが、阿部サダヲさんの
演じる榛村はその典型のような人物でした。
笑っていても光が宿っていない榛村の目は
犯行時だけキラキラとしていて、痛ぶられて
もがき苦しむ被害者を本当の笑みで眺めて
いる描写を見ると、心から楽しんでいるのが
嫌でもわかるのでゾッとしました。

岡田健史さんの演じる雅也とは面会室の
ガラスを挟んで会話しているので、直接的な
アクションは起こらない。でも作品を観続けて
いると、それはなんの安心材料にもならなくて
榛村の言葉巧みな話術でどんどん内面から
「操縦」されていくのを見て、見入ってしまいました。

この作品に出てくる登場人物はみんな
いつ負の感情が爆発してもおかしくないという
印象を受けました。
きっかけは自分でも気づかないような所に
あって、そのトリガーを引くのも自分か他人か
わからない。その不透明さが妙にリアルに描かれていると思いました。

最初から最後まで心がざらつき、本当に
気が抜けない作品です。
ラストのあの終わり方は考察の余地が十分に
ありそうですが、まずは小説を読んでみようと
思いました。
Pippi

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