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ある男のOKIのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

「先生の目はふし穴ですか?」
「“砂の器”の様な作品を、自分自身が観たかったんです」


主人公・城戸(弁護士)役の妻夫木聡さんが、
「これを、松竹でやるんですか?」と驚かれたというのが分かる、地味で、かなり落ち着いていて、丁寧に作られたドラマでした。
石川慶監督は、試写会後に「“砂の器”の様な作品を、自分自身が観たかったんです」と話されていました。
サスペンスという印象は受けなかったのですが、どう展開していくのか?最後の最後まで全く予想出来ませんでした。これからどう進むの?と。


印象に残ったのは、囚人・小見浦(柄本明さん)です。
「先生の目はふし穴ですか?」
終始敬語ですが、強い口調、挑発的な話し方、ガンガン投げかけてくる質問。
意味が分からない。デタラメを言っているだけの様に見えていた。
それが、最初から彼が本当の事を話していたと気づいた時に、自分が間抜けだったと気づく。
「ありのままを見ていた」つもりで、無意識に持っていた強い思い込みが、割れて落ちていく感覚でした。


特報映像での、妻夫木聡さんの言葉が、この映画の核心をついてると思います。
「人間ってイメージで色々作り上げていきますけど、それをぶち壊して、自分の中に何が残るのかを感じて頂ければ、すごく嬉しいなと思います」


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以下は、個人的に疑問に感じた点、知りたかった点、知らなかった事を書きました。

①具体的にどのような方法で戸籍交換をしたのか?
②原誠(窪田正孝さん)も、谷口大祐(中野太賀さん)も、どうやって戸籍交換の仲介業者や情報を知ったのか?
③冒頭と最後に出てくる絵画、黒髪の男性と思われる後ろ姿の絵の意味は?
④谷口大祐の戸籍交換をした動機が弱い、と言うかよく分からない。
⑤弁護士さんは身辺調査も引き受けるんですね。
⑥弁護士さんはお土産(お礼)受け取っていいんですね。
OKI

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