しょうた

ある男のしょうたのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
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見終わってみると既視感があった。それはどうやら松本清張の世界だと、石川監督自らが公式HPのインタビューに答えて話しているのに頷いた。ゼロの焦点とか、砂の器、社会派ミステリーの世界に近い感触。
雨のシーンを上手く設定して、人の心の暗がりや湿り気を演出していたと思う。
最初の方のロマンスの描き方、同じ原作者のマチネの終わりにとはまた違うが男女の気持ちが接近していくプロセスをきれいに見せていた。 
在日差別の描き方は微妙。砂の器のハンセン病のように在日というスティグマを描くのは、あまりに時代錯誤だろう。在日を隠さず、アイデンティティとして大切に生きている人はたくさんいる。ヘイトスピーチの映像のシーンもただ使っているようにしか見えなかった。
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