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ある男の667djpのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.7
程よく楽しく見た。技術的なところからの批評になってしまうけど、バックショットを多用した演出とドライな画面構成、編集のリズム感は見事だった。向井さんの脚本は安定していたが、城戸の家族の描写でやや弛緩した印象があった。
民族や血の呪縛の物語として見ていたが、ラストでその人がその人たるものは何か?というテーマが浮かび上がる。この辺りの手付きがやや無理筋というか、城戸もまた自分が自分ではない生き方に誘われるには説得力が何かもう少し欲しかった。それに起因するシーンが息子に激昂する場面な訳だが、シナリオの手付きとして置きにいったというか、読めてしまうというか。
とはいえプロのお仕事として全体の水準値は高い作品だったとは思う。
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