予告編の段階でかなり惹かれるものを感じ、ずっと観るのが楽しみだった作品。
「血は争えない」という言葉の意味について深く考えたことはなかったが、鑑賞後この言葉が持つ重みをよく感じさせられた。どうしたって切り離せない自分自身のルーツや先祖の存在を、厄介で消し去りたいものだと思う人もいるのだということを改めて実感した。
内容はもちろん、俳優陣の演技が見事だった。冒頭で安藤サクラが思いに耽り涙するシーンで一気に心掴まれた。妻夫木聡演じる城戸がストレスを露わにするシーンは凄まじく、ラストでのぷっつりと何かが切れたような表情や台詞回しには鳥肌が立った。