mさん

さがすのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

現代社会で実際に起こった事件からインスパイアを受けている感じがする。それゆえに単純なエンタメとしてでしか楽しめなかったのが少し残念。
本当にエンタメとして見ると凄い面白い。時間がどんどん遡っていって別の側面が明らかになっていくのはワクワクするし、同じ瞬間が別の視点から語られるのも内田けんじさんや桐島部活辞めるってよみたいな感じで好きだった。後音楽のかかり方も凄いエンタメ映画な感じがした。音楽が20秒だけ流れたり、冒頭からしっかり流れたり。あと父親が実はいなくあった後も帰ってきてテレビを消したりとか、服で父親が死んだと勘違いさせたり、ファーストカットの伏線とかも全部面白かった。だけどこれらは全部エンタメ映画としての面白さな気がして、メッセージに直結してるとは思えなかった。別にそれはいいんだけど、メッセージがあまりわからなかった。こういうエンタメとしてのツボはしっかり抑えてるけどメッセージはなんなんだろう…さがすっていうタイトルの意味は単純な父親を探すことではなくて、実は母親を殺した犯人を探すって言う意味だった。それはわかる。2017年の映画ルームっぽい。ラストのやっと見つけたというセリフも、多分父親を見つけるというよりかはお母さんを殺した人を見つけるという意味で言ったんだと思うけど、少しこの映画をうまくまとめるためのシーンのように見えてしまって(娘が実は〇〇っていう展開はいっぱいあるけど今作の場合急だったし、なんで見つけられたのかがまるまる端折られてるから、その展開をやりたかったんだね感少し出てしまい、結果的にフィクション映画なんだということを再認識してしまう結果になっちゃった)


ただ役者の演技がよくて、佐藤二郎さんの唐突に妻の首を絞めるシーケンスはすごくよかった。無音になる演出もよかった。あそこが一番心を揺さぶられた。
コロナ禍で撮影したにも関わらずすごく街全体をしっかり映したり航空ショットもあったりしてそこはよかった。
mさん

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