ぜにげば

さがすのぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

いやー良作だ。

色んな作品で扱われてこの世のアルファベットの羅列で出来た略語の中でもかなりの知名度を誇るALSや、割と最近話題になった安楽死の是非、貧困、あとは異状性癖とかもかな、そういう問題をひとまとめにして綺麗に描きつつ、展開は二転三転していって着地もとても綺麗だった。

多くの人が佐藤二朗さんのイメージが変わったと思った事だろうけど、僕は逆だった。
いつもの佐藤二朗さんじゃないと言う情報を入れてしまったため逆に「割と佐藤二朗色あるじゃん」と思ってしまった。
間違いなく某変な監督の作品に出ていなければ個性として何も思わなかったけど、あれらの作品がノイズで純粋に楽しめなかった。
同時に、ずっと薄らとギャグ要素があって、それもあってか本当の意味で緊迫することはあまり無かった。

二転三転したと感じたということは予想を裏切られたわけで、それは素晴らしいことなんだけど、その裏切られ方が「佐藤二朗殺されちゃう…!!!…あ…殺されるわけじゃないんだ…」みたいな安心方向への裏切りだったから、若干の肩透かし感もあった。

まあ元々あの監督の作品に出なければ面白い人だったし、演技も素晴らしいというイメージを持っていて、僕の怨念の矛先はあの監督ただ独りだから佐藤二朗さんに対する評価は変わってないんだけどね。
ただ今作で某監督作品の組員から脱却する姿を見れるかと、佐藤二朗さんがその先陣を切ってくれるかと思ってたから、それ相応の落胆はした。
こっちがイメージを払拭できるかの問題なんだな。
某監督組のノリを完全に記憶から抹消したい。

みんな墓場から抜け出してくれー!!!

今作の好きなシーンは中学生男女コンビのやり取り全部かな。
微笑ましい。
おっぱい見せるところめっちゃニチャニチャしてたわ。
マスクつけてなかったら暗がりでニチャニチャしてる変質者だった。
でもなんか、大人がおっぱい見せてとかクズだし、そもそも協力してくれたら付き合うってのも取引の材料に使ってて良くないし、ダメなことしかしてないんだけど、でも中学生だからそれが分からなくてすごく初々しい感じがもう見ててニチャニチャよ。

最近自分は海外の作品の恋愛のノリが心底嫌いだと言うことを再認識して、今作でこういう中学生の初々しい恋愛を見せられてたまらなかったわ。
この後見たノーウェイホームのキスシーンちょっと嫌だったもんね。


急に真面目に戻るけど、ALSは新薬を待つしかないとして、安楽死とかどうしたらいいのかね。
うーん。
自殺幇助…うーん…何が正しいのかもわからん。
20年後には今のこの悩みを一蹴できてるのだろうか。
死について常識だろと一蹴出来てしまう状況もそれはそれで恐ろしいな。
まあでも、楽に死にたいよな。
俺も楽に死にたい。眠るように。
「ちょっと待って」を大人全員が聞き入れない状況にトラウマがあるから、自分の意識はハッキリしてるのに体は動かなくて、周りの人間に死が委ねられるのが何よりも怖い。死後の世界があったとしても、堂々巡りだしなぁ。
ひとつ言えることは、連れ添ってくれる人に予め言うべきってことかな。

備えあれば憂い“あんまり”なし。






備えれねぇなら憂いありまくりだろ!!!!

キャラメイクミスってるよ神様!
神様いんの?因みに。
いるならついでに死後の世界あるか教えて!備えたい!
これも無理だな!

こう考えると切腹とかが当たり前だった時代って痛みこそあれど本気で誇りに思えるだけ幸せなのかもしれない。

宗教に頼りたくなる理由を今存分に感じてる。
ぜにげば

ぜにげば