評価する人が多いのはとてもよくわかるし、ドライアイが進行してめっきり長編映画の鑑賞数が減った私でもかなり集中して観る事ができた。
が、しかし、何故だかどうしても手放しで賞賛する気になれない自分がいる。
どうにも違和感がある。
この違和感は決して今作の主題や描写の残酷さから生まれたものではない。
それは自分でもよく分かる。
ではなぜか。
時折顔を出す"ユーモア"の時代遅れ感や過度な外連などがその源泉かもしれない。
あるいは不誠実ともとれる登場人物の四捨五入に冷めてしまったからかも。(あの重要なシークエンスで娘の存在が徹底的に希釈されているのは流石におかしい。)
いずれにせよ、「よく出来ていて感興だ。なのに興奮できない。」というこの状態が非常にモヤっとで居心地が悪い。まるでサカナクションの音楽を聴いているよう。
そんな様な事を感じながらエンドロールを眺めていたら、案の定というべきか、「監督・脚本 片山慎三」でスクロールがビシッと止まった。結局これが原因かも。
