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続・宮本武蔵 一乗寺の決闘のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.7
稲垣×三船武蔵2作目。
大概は3部作は真ん中が一番面白いと相場が決まっているが、今作も例外ではない。武蔵の上昇志向にチャンバラの多さ。娯楽的要素が一番詰まってる。

冒頭から鎖鎌の宍戸梅軒。
清十郎・傳七郎らの吉岡一門との決闘。
小次郎初登場。
とイベント盛りだくさん。しかも朱実を清十郎が想い、朱実が武蔵を想うという恋愛劇。

それにしても佐々木小次郎役の鶴田浩二、ぶっちゃけ演技上手くないよね…?そもそもあまり好きな役者じゃないのだが、それを差し引いてもこの演技は無いよ。クールな二枚目キャラに成りきれてない。
やっぱり鶴田浩二はヤクザと軍人しか出来ないイメージ。

そして又八が三国連太郎から堺左千夫に変更。三国が鶴田浩二との競演をNGにしたのかな?

中盤で吉岡の追っ手から隠れる為に武蔵が郭に居座るシーンがあるのだが、吉野太夫も武蔵に惚れ込む。お通に朱実に太夫まで…。武蔵モテモテじゃん。
しかも郭に務める禿の役で童謡歌手の少女が歌う。
ハーレム主人公に妹キャラまで。今も昔も変わんないなと思うわ。

田んぼのあぜ道を用いた吉岡一門との決闘は泥臭くてとても良い。

また全体的にセットの撮影も多く、書割の空が美しい。演出家の描きたい風景が明確だったんだろうねぇ、と感心する。
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