タカナリ

仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏のタカナリのレビュー・感想・評価

3.7
「仮面ライダーセイバー」の正統続編。
テレビシリーズから8年後を舞台に、剣士達は、“記憶を書き換える”力を持つ本を所持する剣士に挑みます。

今回のVシネマはスピンオフではなく続編です。メインとなるのは、テレビシリーズと同じく、飛羽馬と倫太郎と賢人です。
8年経ってるということで、飛羽馬はある孤児の父親となり、賢人は結婚間近です。倫太郎は全く変わっていません。芽依との仲も進展なし。

続編と言っても、テレビシリーズの話とはまた別の話になっているので、テレビシリーズで満足している方は、この作品まで見る必要はないと思います。全体的に暗く、話の根幹にあったのが、“ヒーローの戦いに巻き込まれた被害者”です。
ヒーローの戦いは規模が大きいし派手ですから、被害が出るのは当然なんですが、あまり仮面ライダーで描かれているのは見たことありません。そこに踏み込んだ訳ですから、暗くならざるを得ません。
ですので、気持ちをテレビシリーズの延長で持っていくと、多少違和感を感じると思います。

飛羽馬、倫太郎、賢人の3人がそれぞれ戦う事になりますが、戦い自体は非常に素晴らしいです。
飛羽馬はパワーアップせずに“フレイムドラゴン”のみで、倫太郎は“タテガミ氷獣戦記”で戦い、賢人は今回から登場した新フォーム“アラビアーナナイト”で戦います。アラビアーナナイトは普通に好きです。最近のVシネにしては、使いまわしではなく、デザインちゃんと考えられていてカッコいい。
好きだからこそ、もう少し出番欲しかったです。あれだけじゃ勿体ない。
飛羽馬にしても、パワーアップなしは物足りないですね。プリミティブでも出して欲しかった。

個人的に気になったのが最後。
飛羽馬が“アメイジングセイレーン”を持っていた理由です。
単に敵から回収したのか。自分で生み出して使ったのか。
これで非常にモヤモヤしています。
アメイジングセイレーンがどういう本なのか、というのが良く分からなかったのも原因かもしれません。
一瞬しか映りませんが、私はそれだけでスッキリとは終われませんでした。

強化フォーム出すなら、賢人/仮面ライダーエスパーダのスピンオフで全然良かったのに。