シミステツ

幻滅のシミステツのレビュー・感想・評価

幻滅(2021年製作の映画)
3.8
19世紀後半、宮廷貴族が復活したパリ。上流階級にもしきたりやお作法があり、貴族の人妻ルイーズと駆け落ちするも社交界で生きていけなかったリュシアン。輝きに満ちた社交界ではなく、小新聞の粗野さや挑発性、欲にまみれた虚飾や荒々しさに感化されていく。
有名になるには有名人の愛人になるか敵を作るか。実力や才能でのし上がれない世の中。評判を作るためにはサクラや不正なんでもあり、世論をでっち上げるブローカーの世界。サンガリによる拍手の機械化…。王党派と自由派。栄光と没落。現代の炎上マーケティングにも似た世界。世論を操り叩き合いハメ合って空虚を生み続ける世界。

「人に恐れられるか無視されるかの世界だ」