「ピアノ・レッスン」でチンコ出してたハーヴェイ・カイテルが、もし男にも興味あったら…?的な話。そう言ってしまえば語弊しかなくて申し訳ない。あれから30年近くの時を経て、時代は大きく様変わり。しかしジェーン・カンピオンが世に放つ骨太のメッセージは、骨年齢があの時から全く衰えておらず、驚異的である。新作の舞台は、同じくジョニー・グリーンウッドが音楽を担当していた「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を彷彿とさせる、茫漠たる荒野。閉鎖的なコミュニティの中で抑圧されてきた人々から立ち上る、反撃の狼煙。看板バッチはもちろん、「メランコリア」さながらの狂演を見せつけたキルスティン・ダンストにも喝采!