Fan's voiceオンライン試写会で鑑賞しました。
中絶が違法だった頃のフランスが舞台で、妊娠した大学生アンヌが1人で中絶しようとする孤独や絶望感や痛みが淡々と進むからこそひしひしと感じられて、観ていて辛かったです(妊娠させたほうは随分のんきで対比に眩暈がしました)。
作中「私が妊娠しなかったのは、たまたま運がよかっただけ」というセリフが印象に残っています。だからこそ、中絶は誰にとっても身体的にも精神的にも経済的にもリスクなくアクセス可能でなければならないと思います。
女性作家の原作を女性監督が手掛けているので、女体が性的消費の対象としては映されてはいないのですが、シャワー室や婦人科など日常の中の風景として裸が映る(というか隠さない)シーンが多くて、そこは少しお腹いっぱいでした。
淡々と撮られてるのでわたしにとっては日常にあたりまえにある光景の一部に感じられるものなんですけど、それも観る人によっては性的消費の対象になるのかもしれないな…と思うと、そんなに映さなくても…と思ってしまって、そう感じることこそ抑圧なのかもしれない、とは思いました。