アイリッシュマンの座談会でスコセッシ監督が話してるの聞いたばかりなので、その前提で観賞。最初のゴージャスなパーティーのシーンで「このシーンの絵がこんな美しいのあのこだわりのおかげ」と思ったり、飛行機ずらーっと並んだ映画撮影シーンで、アイリッシュマンでもクラシックカーずらーっと並べてもったいない！って思えるくらい贅沢な使い方してるの思い出したり。あと、さすがにアイリッシュマンほど長くはないけど、これも十分長いし、体感時間は実際の時間以上に長い...。
ハワード・ヒューズって人はよく知らないけど、良くも悪くもパワフルでなんて業の深い人なんだろう。普通の人じゃその業の深さを貫きたくても出来ないけど、とんでもないお金持ちなのとそれから来る力持ってるからできちゃう。そんな人のどうしようもない業の深さとか面倒くさい感じをこんなありありと熱演するレオ様やっぱり凄い役者。
できちゃうからこそ誰にも暴走を止められなくて、最初は唯一止められそうな対等な立場だったケティ（この人もまた、ヒューズと対等に渡りあえるくらいには我が強くて面倒くさそう）との関係があったからそれなりにドラマもあって楽しかったけど、そんな面倒くさい二人だからこそあんなことになって、中盤は暴走気味でも止める人いなくてヒューズやりたい放題だから映画だれて面白くない感は否めなかったんだけど。
でも、最後1時間はめっちゃ面白かった！誰より業深くてそれなのにそれ叶えられるから誤解されがちだけど、別に普通にこの深い業に合う位には優秀な人だし人に後ろ指刺されるようなことは何にもやってないですもんね、痛快ですらあった。そして、人間ってどんなに色んなことできても、抱える自分の面倒くささとは一生付き合わなきゃいけない訳ですよね。それだけはどうしても逃げられない。観るの大変だったけど、最後まで観てみるとそれに見合う位には面白かった。
