キャサリン

土を喰らう十二ヵ月のキャサリンのレビュー・感想・評価

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)
3.5
四季に寄り添う暮らしと食。
なんとなく食事にはお肉お魚がメインとして必須と思ってしまうけれど、旬のお野菜があれば十分なのだなあ、と。
演技が芝居じみてるのが少し気になるところだけど、足るを知る的な生活は美しく素敵だった。
全ての食事が美味しそうで、みているだけで満たされる。
畑が冷蔵庫なのも、働くことと生きることがつながっているようで良い。
「生きることは動くこと。」
社会で働く自分が僅かながらも富を蓄え、未来への保険としていることが、果たして良い生き方なのか、と少しチクリ。

とはいえ、生きて死ぬのは定めなのに、それでも死が怖いのは生存欲、
とあったけれど、個人的にはそれを受け入れつつ欲のまま素直に生きて、他者との軋轢や自分の欲深さに苦しむことこそ人間らしさで。
「一人で生きて一人で死ぬ」は単なる身勝手だし、それでもなお「一人で生きていく」を選ぶツトムさんが正しいとも思えなかった。

隣近所や親しい人の好意を大事にしながらだって、いいじゃない、と。
人間に生まれてしまっているのだから、人間として欲深く生きて死ぬしかないじゃない。
バランスが何より大事。
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