ベルファストのピロシキのレビュー・感想・評価

家の中、家の前の通り、学校、たまにおじいちゃんのいる病院。ほぼそれだけで、幼い主人公の物語は完結する。これぞ、誰にでもあったはずの、「まだ狭かった頃の世界」。

空から街を見下ろしても境界線なんて引かれていないのに、子供の視点から見上げる人間たちは、勝手に線引きをして争いばかり。他者を拒絶して、お互いの違いにばかり目を向けていては、幸福を手に入れることなんてできないな。