モノクロなのでそれだけで拒否反応を示す方がいらっしゃると思います。
そこは留意が必要です。
しかしまぎれもない良作です。
故郷と家族と
「作り」
良く出来ています。
映画を学んでいたり、頻繁に見ている方ならば楽しめると思います。
よく出来ている・しっかりと作ってあるからこそなのでしょうが…
とにかくまどろっこしさが目立ちます。
このまどろっこしさというのは…
主人公の両親にはそれぞれ重大な欠点があります。(もちろん完璧な人間などいないんですけどね)
父親には、借金癖もしくは浪費癖やインチキっぽいことをする欠点があります。
母親は、まともそうなことを口では言っているくせに、いつまでたっても故郷から離れられません。
本作においてはこの「故郷」というものがポイントになります。
本作の時代においてこの故郷にあたるベルファストと言う土地はとにかくどうしようもありません。そこに住んでる人たちもどうしようもないです。暴力や強制や教養の低さや。
このどうしようもないものが口でなんだかんだやり過ごすことができないレベルにまで発展しつつあります。
ここで母親の欠点が関わってきます。
ベルファストの現状・社会問題は、個人ではどうしようもない。それなのに母親はずっと意味のないことをうだうだずっと言い続けて、この故郷から離れようとしません。子供の安全や教育や将来に関わっているというのにね。
そうしてラストになり、やっと動き出します。
この点においては、父親の方がまともです。
故郷や育ってきた地元しいていえば国というものを描き込んだり描き出す上でどうしても現れてくる、人間の葛藤の1つだといえます。
それって頭ではわかっていてもなかなか抜け出せなかったり、いつまでもまとわりついてくるものでしょう。
それも愛という物の形の1つなのでしょう。
「感想」
良かったです。
基本的には楽しめました。
他人に生き方や考え方を強制されるのはイヤだな…
引越し族出身の私は子供の頃、幼馴染や好きな子と離れなければならないのも明らかに嫌でした。
はっきりと思い出しました。