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ベルファストのdarumaのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.1
アカデミー候補で一番観たかった作品。脚本賞です。素晴らしかった!
最後がグッときた…
どうしても今のウクライナが浮かんでしまう。
祖国?故郷?って何だろう…考えてしまう。

監督の自伝的作品だという事は知っていたので、途中に織り込まれる映画の数々を見て、ああ、こうやって映画との関わりを深めていったんだなぁ…としみじみ。そこもグッと来ました。
ほぼ全編モノクロなんですが(回想という意味なのかなと思われる)、おそらくその映画のシーンだけ?カラーで、1969年の設定なので当時はもうカラー映画?だから、監督(主人公)から見えている景色はそのまま(に表現している)、という事なのかなと思います。

最初はどうして早く離れないんだろう…と思ったけど(私には故郷と呼べる場所が特に無い。だから余計にだと思うけれど)、うまく言えないけど、途中から、なんとなくわかるな、と思った。

宗教って難しい…
以前、羊飼いと風船を観た時も思ったけど、それが思想だから。
信条というか。
悪意(邪心?)が無い分、ある意味、政治より難しい。

個人的にイギリスが好きで、学生時代に卒業旅行として初めて外国に行ったのもイギリス。で、社会人になってからは、ちょっと変わった国に行ってみたいなと思ってアイルランドにも行ったことがあります(だから本作が観たかった、というのもある)。イギリスから近かったから、というのが大きな理由ですが、もっと歴史を勉強して行けばよかった…当時どのような情勢だったのか、よく把握していないのですが(今思うと危険)、でも、北アイルランドは危ないから近づいちゃダメ、という認識でした。まさかこんなところでその答え合わせをする事になるとは…

観始めてから、あれ?北アイルランドってイギリスの島の北部だったっけ…?(イギリスだから、という頭があった)でも飛行機でロンドンに行ってるなぁ…(何故地続きなのに鉄道じゃないんだ)と思って「???」が浮かびながら観ていました。帰ってきてから調べたら違ってた。。アイルランド島の北部だった(納得)「北アイルランド」だから、当たり前といえばそうだが…(苦笑)

そういう意味では、事前に少し地理関係を頭に入れてから観ると、より解り易いかも。

現在WOWOWに加入しているので、アカデミー賞の授賞式をざっくり観ていて、齊藤工監督が本作を推していたのですが(それもまた嬉しかった!)、その際に、スタッフに日本人の方がいるのでその点も推せるというような事も言っていて、へえー!そうなのか…と思いながら今日、エンドロールを見ていました。確かにいらっしゃいました^^吉原若菜(ヨシハラ・ワカナ)さん、ヘア&メイクアップ担当の方です。
(調べて記事をいくつか読んでしまった。凄いなぁ…海外で活躍していて!中学卒業後にすぐ美容師の学校に入られて、18歳でもう海外に出られているなど、とても興味深かった)
だからか!?個人的に、おばあちゃんの髪型がちょっと日本人みを感じました…(たぶんまったくの偶然だと思いますが。)親しみを感じる見た目です。

最初に配給がPARCOと出て、絶対いいやつ!と思った。間違ってなかった。
冒頭、結構覚悟したけど、意外とそこまで残虐ではないです。
コメディタッチの部分もたくさんあるので、クスッと笑えたりもして。
でも、グッと来ます…
観て損はないと思います。

最寄りの劇場では先週末からの公開でしたが2週間限定上映のようで(昨日知った)、来週はスケジュールが合わないので急遽慌てて観に行った。観れて本当によかった。
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