このレビューはネタバレを含みます
モノクロ映画に慣れていないため、味気無かったり面白みに欠けたりするのでは…と不安だったが、観ていて、そんなマイナスな事は全く感じなかった!むしろ、人々の感情や彩豊かな日常をよりリアルに感じられるかのようだった。
近所の誰もが知り合いで、人々は皆で助け合って慎ましくもエネルギッシュに生きている小さな街。大好きな故郷が、宗教間の争いで、危険な場所に変化していく。それを真っ直ぐで愛らしい子供の目線から見ているため、ユーモラスで毒気がないのが良い。
おじいちゃん、おばあちゃんとのやり取りも、さりげない中に哲学的な言葉も散りばめられていて、好きだった。
どこにいても誰に何を言われようと、自分は自分。故郷は、心は、自分の思うところにある。戦時中ではなくても、現代にも通じるメッセージ。
自分の心さえしっかりしていれば、きっとどこにいたって、大丈夫。
ラスト、好きな女の子と結婚できるかな、と聞かれた父親が、彼女がどんな宗教でも何でも二人が良いならきっと受け入れられるよ、という言葉に涙。
また観たいと思える素晴らしい作品。