くらら

世界は僕らに気づかないのくららのネタバレレビュー・内容・結末

世界は僕らに気づかない(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

子どもって大人が思ってる以上に色々分かってるよなと思った冒頭から、父親かもしれない人の職場におしかけて何を言うでもなく自転車でぐるぐるしながら睨む子どもな一面もあって、会話もドキュメンタリーを観てるような自然さだった。
彼らの境遇に驚きも新しさも感じなかったのは、自分も気づかないフリをしてきたが境遇こそ違えどけっこうマイノリティな世界で生きてきたからなのかもしれない。

好きだから・信頼してるからこそフィリピンの家族はレイナに、レイナはジュンに、ジュンは優ちゃんに途中まで八つ当たりしてしまっててそれが辛かった。みんな自分のことを棚に上げて誰かに当たってて、これだと当たれない強い優しい人がつぶれちゃうよ。
優ちゃんには理解してくれる家族、ジュンには渡辺さん、レイナには森下さんがいて、良かったと思うし救われるものの何とも切ない。
子どもがいて生活苦しいのに無職の人と結婚するなんてありえんと思ったけど(今も多少思ってるけど)、それが良いか悪いかは別として、そこまでしても必要な存在だと思える人がいるのは羨ましい。

でも高校生であんなに将来の事を真剣に考えられるのはすごいし、素直に祝福されるって本当に素敵で幸せなことだなと思った。
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