くらら

悪は存在しないのくららのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

濱口監督作品で一番難しかった。
そしてカメラワークと光が一番好きだった。

石橋英子さんの音楽が豊かな自然の美しさと不気味さ、そして人々の生活にも馴染んでてすごい。チェーンソーや薪を割る音もサントラかと思わず錯覚。

事務所社長が無理やりグランピング施設を作るのは悪だろと思ったけど、彼にも社員の生活を守るという正義があるし、ラストを見るとそもそも野生動物が住む場所に人間が生活するのは…とか。住民に寄り添いはじめた芸能事務所の2人でさえ鹿のこととか想像力を働かせられてなかったし、悪は存在しないからこそ共存って可能なのだろうかと考えさせられた。

野生の鹿は臆病だけど人に慣れた鹿は襲う事があるって話を聞いて、鹿と芸能事務所の女性がなんとなく重なり、その直後に鹿の骨が出てきてちょっと怖かった。

会話劇の中にシュールな笑いが混ざってるのも好き。芸能事務所の2人の車での会話や、急に来た2人を勝手に人手に入れる巧さんに特に笑った。
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