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世界は僕らに気づかないのkのレビュー・感想・評価

世界は僕らに気づかない(2022年製作の映画)
3.7
否定したい訳じゃないし、鑑賞者としてよっぽどじゃない限り言わないようにしているけど、これはさすがに盛り込みすぎ。
最後はもう冷めてしまった。
何より、何も知らない人はパートナーシップ制度を肯定的に捉え、「同性婚必要ある?」とより強く思ってしまうはず。ゲイを主人公にするならその認知のズレは何としても避けて欲しいのに。
今この国で、教会で、結婚式を挙げられる田舎に暮らすゲイの20歳ってどれだけ想像つきますかね?

フィリピン人のママと息子の関係を描くだけで充分だし、2人の演技や息子の「ただ謝って欲しかった」と告白するシーンはすごく胸に迫るものがあった。だからこそママの心情がもっと掘り下げられると、この国でこの2人を描くことに意義があったんじゃないかと思う。
ママのことをどうしたって愛してしまうのはすごくわかる。だからママのことを描いて欲しい。

アセクシャルの子や恋人の家族は、全カットでお願いしたい。
申し訳ないけどアセクシャルの子は本当に蛇足。わかります、可視化だよね、異議あります。それにしても、アセクシャルだと18歳で自認してて子どもが欲しくて具体的に考えるのって無理あるよ。今の日本で田舎にいてSNSでアセクシャルを知っていくことは大いに有り得る、増えて欲しい、それにしても、子どもについて考える余裕ありますかね。かーなーり珍しいけど、未来明るそうな感じ、まじか。

恋人の家族ね。大事ですよ家族との衝突なく応援してくれるのがスタート地点であることは。でもさ、ゆうちゃんを、よろしくお願いしますって。それこそ家父長制を内在化したままだと思いますが大丈夫ですか?

「お似合いですね」田舎の市役所にそんな気の利いたこと言える人いるか?
片方大学生みたいだけど大丈夫?ってなるのが市役所の人間じゃない?現実、当事者どんだけ役所の手続きなどキツい思いしてますか。

ママと息子の関係性がもっと知りたかった。恋人と何であそこまで将来考えられるのか知りたかった。
結局わたしの期待に応えられることがなかっただけなんだけど、だからこそ、言っておきたい。
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