ジム・ジャームッシュ(特にパターソン)へのリスペクトは存分に感じるし、シャッターの降りた深夜の街を2人で踊るシーンの美しさには惚れ惚れする。
タクシー運転手の葉がお客さんと交わす会話も豊かで、なぜ運転手を?に対するアンサーが大好き。「どこかへ行きたいけれど、どこに行けば良いかわからない」まさに。
だけれども、結局のところ「花束」の良さばかりを思い出すなと。
登場人物がそれなりに多い割にメイン2人以外があまりにモブで、國村隼と成田凌なんかめちゃくちゃ良いのに彼らのドラマがない。パターソンそのまんまの永瀬さんもただの記号でしかない。
あとやっぱ“別れ”が物足りなく感じられて、あの一連だけで終わらせてしまうと綺麗すぎる。もっともっと抉ってくれーと思いながら観ていた。
そもそも葉が良い人すぎませんか?伊藤沙莉が、男性から見た都合の良い“理想の女の子”みたいなのを最近演らされすぎている気がする。彼女を使っとけばそりゃいい感じにはなるけど、作り手の拙さを隠すために使ってんじゃねえよとも思う。