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ちょっと思い出しただけのピポサルのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.1
ふたりのコントラストがとても良くて、言葉にしないと居ても立っても居られない葉はちょっと思い出すきっかけが照生の姿を直接見たことで、一方、照生は葉ではなくこれまで接したことのある人物(泉美や尾崎世界観)を通じてじんわりと想起している。時間の経過を感じ、そして今もどこかで生活しているんだなと懐古している表情にグッときた。

ふたりのやり取りにニヤニヤが止まらなかった。伊藤沙莉は人柄がよく表れているし、池松壮亮はよくあるアンニュイ()な感じではなくそうそうこの池松壮亮が見たかったんだよという、彼なりの誠実さを持っている感じが最高。
『花束みたいな〜』や『大人になれなかった〜』はなんというか予告とか宣伝ありきな作りって感じがして全然しっくりこなかったけど本作はふたりのありのままを映していて、生きているなかでふとしたきっかけで何かを思い出すその体験自体がかけがえのないもの、みたいな感じでとてもよかった。

クリープハイプはいいんだけど、終幕、美しいシーンにオーバーラップしてあのテーマが流れるのはなんだかJPOPっぽさというかチープな感じがしてしまってちょっと萎えてしまった。せめて暗転してからにしてくれー
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