フェミ研ゼミ

ちょっと思い出しただけのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
5.0
この映画を指輪にして指にはめていたい。

これこそ花束みたいな恋だと感じた。
花束はいつか枯れる、活けている間だけ美しい。
ああそうか。あの映画のタイトルはメタファーだったのか?とか意地悪なこと考えちゃったな。
この映画の二人の出来事は花束のあのモラトリアムな二人のモノと横に並べていいようなもんではない。
これは宝石だ。枯れもしない。
これはインスタントな花束なんてものじゃなくて、
宝石みたいだと感じてしまった。

二人がちょっと思い出したことは
どうってことないんだよ。
どうってことない風景に紛れていたけれど、二人の歴史を持って彼らの目から見ればなにものにもかえられない素晴らしい一行だったんだと思うんだよね。
でもはたから見たらどうってことないんだ。
恋という言葉を使うのも嫌だと思う。
なんていうか陳腐だなあと思われるのが嫌で使いたくない。

誰かに惹かれることの充足感と眩しい明日への希望とともにある焦燥感とか、そんな相手に想われる満ち足りすぎて溢れてしまう多幸感とか。
ふたりにしかわからない言葉で会話がてきることの喜びとか。

このふたりの間の短い歴史物語は、全米が泣くような大ヒットでもないし、花束みたいな誰もが喜ぶ映画ではないなんてことないことごとだった。
でも、超超個人的な彼らの思い出のラストシーン朝焼けみたいに美しくて映画みたいだなあ。って思ってしまった。
映画なんだけど。


池松壮亮さんを見ると思い出していまう昔の彼氏がいる。
だから余計刺さるものがあった。
それに今ストレンジャージングス観ていて、ウィノナライダーを最近毎日観ていてる。
大人になったウィノナライダー。高校生の子どもの母親役をやる皺のあるウィノナライダー。
ナイトオンプラネットに出ていた頃の若かりし日の彼女。
時の流れを実感する。
暴力的すぎるよね時間はさ〜。

朝まで起きていたくなっちゃう。
そのくらい本当にフォトショップでも作れないよ〜ってくらいに綺麗な朝焼けラストシーン。あーあもう一回立て続けにみちゃっている。

なんかもうはやく死んじゃいたい。
良かったなあ。
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